Mourre評価の新しい証明

 もう、それほど新しい論文ではないですが、Christian Gérardの "A proof of the abstract limiting absorption principle by energy estimates" (J. Funct. Anal. 254 (2008) 2070-2704)という論文を読んでみました。 Mourre不等式から極限吸収原理を証明する新しい証明というのが主題ですが、技術的な詳細を気にしなければ、コアになるアイデアは驚くほど簡単です。ある意味で、「最初からこのように証明されるべきだった」という感じすらします。別の視点から見ると(論文にも書かれているように)、「偏微分方程式で古くから使われているpositive commuter method(ある種のsubelliptic estimate)と、Mourre理論は本質的に同等である」という、(僕も含めて)多分多くの人が何となく感じていたことを実際に示した、といっても良いと思います。
 本質的な部分はとてもシンプルなので、いろいろな拡張が出来るはずです。例えば、Besov空間でのAgmon-Hörmander型の極限吸収原理を抽象的な形で証明することも出来るのではないかと思います。時間があれば、ちょっと考えてみたいと思っています。

Oberwolfach 2009 Dec Photos

12月6日から12日まで、ドイツのOberwolfach研究所に行ってきました。 "Modeling and Understanding Random Hamiltonians: Beyond Monotonicity, Linearity and Independence"という、長い名前のミニ・ワークショップがありました。もう何回も行っているところなのですが、新しく買ったコンパクトカメラ(Panasonic DMC-FX60)でスナップ写真を撮ってきました。小さいけれど、結構よく出来たカメラの様に思います。

フランクフルトには夜に到着し、駅前のホテルに一泊して、朝早くの列車でフランクフルトを出ました。8時前なのですが、まだあまり日は出ていません。ドイツの冬は、本当に日が短いです。

01-Frankfurt-Hbf.jpg

途中で2回乗り換えがありました。これは、バーデン・バーデンの駅です。

02-BadenBaden.jpg

Oberwolfachの研究所は、けっこう大規模な改修中で、工事中の建物で暮す形になりました。泊まった部屋は改修が済んで、きれいになっていました。

03-MFO-Room-1.jpg

大きなラジエーターが、かえっていい感じです。

03.5-MFO-Room-1-2.jpg

窓から付近の風景が見えます。かつてよりは周りに家が増えてきましたが、それでもかなりのどかな風景です。

04-MFO-Room-2.jpg

午後になって、霧が出て来ました。午後遅くにはランプを点けないと作業が出来なくなります。

05-MFO-Room-3.jpg

夜になると、こんな感じです。

06-MFO-Room-4.jpg

ベッドの部分は、間接照明になっています。(もちろん、肉眼ではこんなに明るく見えません。)

07-MFO-Room-5.jpg

研究所のライブラリーや講義室のある建物です。中央奥に見えるのが、研究所のシンボルになっている代数曲面の彫刻です。

08-MFO-Outside-1.jpg

居室の外のバルコニーからの眺めです。木立を透かして眼下に見えるのは、製材所です。

09-MFO-Outside-2.jpg

これもバルコニーからの眺めです。ライブラリーの建物が見えます。樹木もきれいに管理されています。

10-MFO-Outside-3.jpg

研究所から少し山道を登り、近くの集落を臨んだところです。まるで絵葉書のような風景ですが、実はけっこう新しい建物が多くて、屋根に太陽電池が置いてあったりします。

11-Oberwolfach-Village.jpg

水曜日の午後は講演のスケジュールを入れず、ハイキングをする(あるいは仕事をする)のがOberwolfach研究所の伝統です。霧の中を、近くの村まで、短いハイキングに行ってきました。

12-Hiking.jpg

帰りは、Hausachという小さな町の駅までタクシーで出て、鉄道でフランクフルトに向かいます。ほとんど何もない駅前ですが、左に見えるのはお土産屋のようです。右側が駅舎で、DB(ドイツ国鉄)のマークの入った時計が見えます。

13-Hausach-1.jpg 14-Hausach-2.jpg

ほとんどの写真は広角端(ライカフォーマットで25mm相当)で撮影しています。FX60は広角が広めで、楽しいカメラです。ホワイトバランスのプリセットもあり、露出補正もしやすく、機能的にはほとんど不満はありません。RAWで撮れればホワイトバランスを後で修正しやすいのに、とは思いますが、このクラスのカメラでは不釣り合いかも知れません。たぶん、画像のジオメトリー補正もしているでしょうし、JPEGでしか画像が保存できないのは当然なのでしょう。

薪を焚く

火を焚く、特に木を燃やす、というのは人類最古の趣味なのでしょう。山小屋に行って、薪ストーブで火と遊んできました。

Copyright : Shu Nakamura
All rights reserved